Shoshi Shinsui


味読精読  菜根譚  前集(処世交際の道) 後集(閑居田園の楽)

儒教+仏教+道教――東洋伝統思想の結晶『菜根譚』の本格的道案内

平凡を愛する穏やかな思想で人気の処世哲学書を読み込む。

前集225条、後集134条、一条ごとに独立した、短文の箴言集。文庫版原典からさらに深く読み進めたい『菜根譚』愛読者のための、儒学と禅仏教に詳しい加藤咄堂による、いま望みうる最も豊かな『菜根譚』読本。

*書評記事の断片をご紹介してあります。こちらのページへ→
*加藤咄堂の他の本 『味読精読 十七条憲法』 のページへ→
*加藤咄堂の他の本 『死生観』 のページへ→




著者 洪自誠原著・加藤咄堂著
書名 味読精読 菜根譚 前集(処世交際の道)後集(閑居田園の楽)
体裁・価格 前集・A5判上製 384p 定価3630円(本体3300円+税10%)
体裁・価格 後集・A5判上製 224p 定価2420円(本体2200円+税10%)
刊行日 2006年10月30日
ISBN 4-902854-20-1 C0014(前集)
ISBN 4-902854-21-X C0014(後集)


著者紹介 加藤咄堂 (かとう・とつどう)

1870(明治3)年生、1949(昭和24)年歿。本名は加藤熊一郎。咄堂は号。仏教・儒学などの東洋思想を土台とした修養思想の啓蒙家として活躍。出版書籍は200点以上にのぼり、最盛期には年間200回以上の講演を行ない、難解な思想や古典を平易に説き人気を博した。

丹波亀岡の格式高い武家に生まれ、幼時は儒学を修めるが、士族没落の時代ゆえに苦学。代用教員を務めたあと法学、英語を学ぶ(英吉利法律学校)なかで、築地本願寺の積徳教校(僧侶養成学校)で教える機会を得、生活費捻出のための翻訳・文筆業に携わったことから仏教ジャーナリズム・仏教界に縁を結び、たちまち仏教の大要を理解する。洋学志向で仏教思想のふるわない時代、仏教界は大衆向けの平易な解説のできる人物を欠いていたが、時代状況をふまえて仏教の要旨を縦横無尽に説く咄堂は一躍仏教講演の第一人者となり、講演と著述で生計をたてるようになる。当時の自己を振り返り、「泰西模倣の時代の趨勢に慨然たるものあり、幼時の儒学勃然として心に萌し、東洋研究の結果は仏典に及び…」と述べている。

20代前半で当時の一流仏教新聞『明教新誌』主筆に迎えられ、追って大内青巒ら仏教界の大物たちがその才を評価するようになる。のち『中外日報』主筆、曹洞宗大学(のちの駒澤大学)、東洋大学の教職につき、また教化団体連合会の理事として活躍(内務大臣後藤新平らの信頼を得て、乱立状態にあった教化諸団体の糾合に尽力)。

代表的著作『碧巌録大講座』(15巻)『修養大講座』(14巻)。『死生観』。諡号(戒名)浄名院大智咄堂居士。