書肆心水・総合ページへ

近代日本哲学史

日本への哲学の移植、そしてその展開を批判的に評価する

時代と哲学移植との関係を探り、そのイデオロギー的位置を発見。「日本に移入された各種哲学は、その繁栄にも凋落にも何らかの条件が存する。どの学問よりも真実なるものをつかもうとする哲学は、まず自分の運命を知らねばならない。」(三枝博音)

ここのリンク先で本書のなかをご覧いただけます(PDFファイル)


著者 三枝博音
書名 近代日本哲学史
体裁・価格 A5判上製 288p 定価6490円(本体5900円+税10%)
刊行 2014年7月
ISBN 978-4-906917-30-3 C0010

●三枝博音既刊書 『新編・梅園哲学入門』 『西欧化する日本 西欧化できない日本』


●著者紹介

三枝博音(さいぐさ・ひろと)

1892-1963。広島県に生まれる。哲学、思想史、科学史、技術史の研究者。1922年、東京帝国大学西洋哲学科卒業。医学史の大家富士川游に師事。東洋大学、立正大学、法政大学などで教鞭をとる。1932年、戸坂潤らと唯物論研究会を組織し『唯物論研究』の編集責任にあたる。1933年、思想弾圧により教職を辞し、日本哲学思想史ならびに科学・技術史の研究と著述活動に専念。『日本哲学全書』『日本科学古典全書』など基本史料を編纂。戦後、明治大学教授、鎌倉大学校(鎌倉アカデミア)校長、横浜市立大学教授・校長を歴任。国鉄鶴見事故で死去。代表的著書に『三浦梅園の哲学』『技術の哲学』『日本の唯物論者』『西欧化日本の研究』など。

●目 次

明治以後の移植哲学の概観 (ミルからハイデッガーまで)
   展 望
   政治的・経済的諸条件
   哲学ジャーナリズム
   哲学的観念論
   唯物論
   結 語

哲学移植史 (その一)
   反動と進取
   接種と発展

哲学移植史 (その二)
   ドイツ哲学最初の移植
   カント研究の発達
   ヘーゲル研究の発達

明治時代の日本哲学 (その一)
   「哲学」以外の哲学者
   優れたる知識哲学

明治時代の日本哲学 (その二)
   観念論的哲学
   唯物論及び唯物論的哲学
   仏教家の哲学論

論理学の発達 (明治思想は如何に論理学に反映したか)

日本におけるハイデッガー解釈

「西田哲学」の根本問題

附録 わが国では何故弁証法が発達しなかったか?