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新編・梅園哲学入門

●科学の明るさと人間的歴史の暗さを統一的に把握

日本の科学・技術史を開拓した三枝博音が、近代西欧哲学との同時代性において梅園の哲学を考察する、新編三浦梅園論集成。 「梅園の学説はもはや単なる科学主義ではない。 彼にとっては科学と歴史的現実の交錯的形成そのものが問題である。」
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著者 三枝博音・三浦梅園
書名 新編・梅園哲学入門
体裁・価格 A5判上製 320p 本体価格5400円(税別)
刊行 2014年5月
ISBN 978-4-906917-28-0 C0010

●当社刊 三枝博音の著作 『近代日本哲学史』  『西欧化する日本 西欧化できない日本』


●著者紹介

三枝博音(さいぐさ・ひろと)

1892-1963。広島県に生まれる。哲学、思想史、科学史、技術史の研究者。1922年、東京帝国大学西洋哲学科卒業。医学史の大家富士川游に師事。東洋大学、立正大学、法政大学などで教鞭をとる。1932年、戸坂潤らと唯物論研究会を組織し『唯物論研究』の編集責任にあたる。1933年、思想弾圧により教職を辞し、日本哲学思想史ならびに科学・技術史の研究と著述活動に専念。『日本哲学全書』『日本科学古典全書』など基本史料を編纂。戦後、明治大学教授、鎌倉大学校(鎌倉アカデミア)校長、横浜市立大学教授・校長を歴任。国鉄鶴見事故で死去。代表的著書に『三浦梅園の哲学』『技術の哲学』『日本の唯物論者』『西欧化日本の研究』など。

三浦梅園(みうら・ばいえん)

1723-1789。豊後国国東郡富永村に生まれる。名は晋(晉・すすむ)、字は安貞。主著『玄語』『贅語』『敢語』。その他著書に『詩轍』『価原』など。


●目 次

第 I 部

『玄語』の著者に対して語る

梅園の哲学

    梅園哲学に入るための心の準備について
    梅園哲学を知るために必要な哲学上の諸概念について
    梅園哲学の知られるその著述について
    条理学について
    梅園の学的思想を哲学であると評価することについて
    梅園における認識論思想について
    『玄語』の要点について(その一)
    『玄語』の要点について(その二)
    『玄語』の要点について(その三)
    『玄語』の独創的意義について

梅園哲学についての対話

日本の科学を育てた人としての梅園

    梅園を科学者と見る場合の根本の問題
    自然科学の発達しなかった第一の理由
    自然科学の発達しなかった第二の理由
    科学的思惟の創成
    「自然」の概念の発見
    物又は物質の概念

梅園の言う真実の学問

    梅園への関心
    学問のほんとうの意味(その一)
    学問のほんとうの意味(その二)


第 II 部 三浦梅園の哲学

第一編 梅園の哲学

    意識一般について
    自己直観
    存在
    時間
    「理」の思想
    「故」の思想
    「天」の思想
    「神」の思想

第二編 混淪鬱浡について(現代語に書き直された梅園の言葉) ―― 三浦梅園著『多賀墨郷君にこたふる書』

    疑問を起すことについて
    自然を本とすることについて
    条理の学
    混淪鬱浡
    認識の範としての自然

第三編 『玄語』の研究

    『玄語』の成立
    『玄語』先行の思想
    『玄語』の構造
    『玄語』の認識論思想と論理学思想
    『贅語』と『敢語』について


第 III 部

梅園の論理思想

    梅園の条理学
    驚嘆すべき独創的見解
    その論理思想の要点

梅園の理故の哲学

    世界文化と時代の瞑さ
    より良き日のために
    精神の新しい解釈
    明るさとしての「理」
    瞑さとしての「故」
    精神についての独創的見解

三浦梅園集のために

    編者の序文
    『多賀墨郷君にこたふる書』
    『価 原』
    『帰山録草稿』
    『先府君孿山先生行状』

三浦梅園の自然哲学

    梅園の自然哲学成立前半世紀の学問のありさま
    梅園の自然哲学の成立
    この時期の『玄語』いがいの梅園の労作
    『玄語』の構造
    日本の自然哲学的思想の発展史のなかの梅園の位置