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ベルクソン『物質と記憶』を解剖する
現代知覚理論・時間論・心の哲学との接続


●拡張ベルクソン主義宣言!

時代にあまりに先駆けて世に出たがゆえに難解書とされてきた『物質と記憶』。最近の「意識の科学」(認知神経学・認知心理学・人工知能学)と「分析形而上学」(心の哲学・時間論)の発展により、ベルクソンがそもそも意図した「実証的形而上学」の意味で『物質と記憶』を読み解く準備がようやく整ってきたことを示す画期的論集。
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編者 平井靖史・藤田尚志・安孫子信
著者 郡司ペギオ幸夫・河野哲也・B.デイントン ほか
書名 ベルクソン『物質と記憶』を解剖する――現代知覚理論・時間論・心の哲学との接続
体裁・価格 A5判並製 384p 本体価格3500円(税別)
刊行 2016年11月
ISBN 978-4-906917-60-0 C0010


●目 次

はじめに 藤田尚志
序  論 平井靖史

第1部 記憶と心身問題(科学認識論・汎心論・局在論)

外界の存在について ポール=アントワーヌ・ミケル(米田翼訳)
ベルクソンと「記憶の科学」の台頭 三宅岳史
現代から見るベルクソンの二元論 ジョエル・ドルボー(木山裕登訳)
《コラム》ベルクソンの未来 藤田尚志
記憶と歴史――リクールからのベルクソン再読 合田正人

第2部 知 覚(アフォーダンス・認知科学・現在意識)

ベルクソン、ギブソン、そして外界のイメージ スティーヴン・E・ロビンズ(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンと生態心理学――身体の記憶と宇宙の記憶 河野哲也
《コラム》アフォーダンスとベルクソン 檜垣立哉
哲学と認知心理学を定義する――ベルクソン哲学の知覚理論とブルーナーの認知心理学の分析を通して セバスチャン・ミラヴェット(山根秀介訳)
現在の厚みとは何か?――ベルクソンの二重知覚システムと時間存在論 平井靖史

第3部 時 間(分析形而上学・物理・出来事存在論)

中立一元論、時間経験、そして時間――ベルクソンへの分析的視座 バリー・デイントン(岡嶋隆佑訳)
ベルクソンにおける収縮概念について――デイントンおよび平井へのリプライ 岡嶋隆佑
何が記憶を一列に並べるのか? 伊佐敷隆弘
共存と時間の流れ エリー・デューリング(清塚明朗訳)
《コラム》持続と時間 三宅岳史
知覚と記憶の接続・脱接続――デジャビュ・逆ベイズ推論 郡司ペギオ幸夫
《コラム》ベイズ推論と逆ベイズ推論 三宅岳史

《特別付録》われらベルクソン主義者 京都宣言
エリー・デューリング ポール=アントワーヌ・ミケル(藤田尚志訳)

後書きにかえて 安孫子信
人名索引・事項索引


●編者紹介

平井靖史(ひらい・やすし) 福岡大学人文学部・教授。ベルクソンおよびライプニッツを中心とする近現代フランス哲学。1971年生。主な業績に、合田正人との共訳によるベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』(ちくま学芸文庫、2002年)。

藤田尚志(ふじた・ひさし) 九州産業大学国際文化学部・准教授、Ph.D.(哲学)。哲学・倫理学、フランス近現代思想。1973年生。現在、これまでのベルクソン研究をまとめた『ベルクソン――反時代的哲学』を勁草書房ウェブサイト上にて連載中。安孫子信・合田正人との共編著 Tout ouvert: L'évolution créatrice en tous sens(Olms, 2015)。

安孫子信(あびこ・しん) 法政大学文学部・教授。哲学・フランス思想史。1951年生。主な編著書として『デカルトをめぐる論戦』(京都大学学術出版会、2013年)、『ベルクソン読本』(法政大学出版局、2006年)。

●著者紹介(掲載順)

ポール=アントワーヌ・ミケル(Paul-Antoine Miquel) トゥールーズ大学・教授。現代哲学、フランス哲学、生物学の哲学。1959年生。主な著書にSur le concept de nature(hermann, 2015), Bergson dans le moroir des sciences(Kimé, 2014).

三宅岳史(みやけ・たけし) 香川大学教育学部・准教授、博士(文学)。哲学、西洋哲学史(フランス近代)、科学史。1972年生。『ベルクソン哲学と科学との対話』(京都大学学術出版会、2012年)。

ジョエル・ドルボー(Jöel Dobeault) パリ・ガロワ高等学校教諭。心の哲学、物理学の哲学。1966年生。“Mind and Matter: How Bergson Anticipated Quantum Ideas”, in Mind and Matter, Vol. 10(1), 2012.

合田正人(ごうだ・まさと) 明治大学・教授。西洋/日本思想史、倫理学、ユダヤ思想専攻。1957年生。『思想史の名脇役たち』(河出書房新社、2014年)、『フラグメンテ』(法政大学出版局、2016年)。

スティーヴン・E・ロビンズ(Stephen E. Robbins) 知覚と意識の理論。1946年生。最近の業績として、“Analogical Reminding and the Storage of Experience: The Hofstadter-Sander Paradox”, Phenomenology and the Cognitive Sciences(近刊).

河野哲也(こうの・てつや) 立教大学文学部・教授、博士(哲学)。哲学・倫理学、現象学、心の哲学、教育哲学、哲学プラクティス。1963年生。『現象学的身体論と特別支援教育――インクルーシブ社会の哲学的探究』(北大路書房, 2015年)、『いつかはみんな野生にもどる――環境の現象学』(水声社、2016年)。

檜垣立哉(ひがき・たつや) 大阪大学人間科学研究科・教授。哲学、現代思想。1964年生。『西田幾多郎の生命哲学』(講談社、2011年)、『瞬間と永遠――ジル・ドゥルーズの時間論』(岩波書店、2010年)。

セバスチャン・ミラヴェット(Sébastien Miravète) トゥールーズ大学・講師、博士(哲学)および博士(心理学)。現代フランス哲学、存在論、科学哲学、認識論。1981年生。Pierre Montebelloとの共編によるBergson, La Pensée et le mouvant (Flammarion, 2014).

バリー・デイントン(Barry Dainton) リバプール大学・教授。形而上学および心、意識、自己の哲学。1958年生。The Phenomenal Self(Oxford University Press, 2008), Time and Space(Routledge, 2nd edition 2010).

岡嶋隆佑(おかじま・りゅうすけ) 慶應義塾大学文学研究科・哲学倫理専攻(哲学分野)博士課程、日本学術振興会特別研究員(DC1)。哲学。1987年生。「ベルクソンにおける知覚の諸相」(『哲學』三田哲学会、2015年)。

伊佐敷隆弘(いさしき・たかひろ) 日本大学経済学部・教授、博士(文学)。哲学的時間論、分析形而上学、ウィトゲンシュタイン研究。1956年生。『時間様相の形而上学――現在・過去・未来とは何か』(勁草書房、2010年)。

エリー・デューリング(Elie During) パリ第10大学・准教授。現代フランス哲学、物理学の哲学、時空の形而上学。1972年生。最近下記校訂版を出版した。Paul Langevin, Le Paradoxe des jumeaux : deux conférences sur la relativité(Nanterre, Presses universitaires de Paris Ouest, 2016).

郡司ペギオ幸夫(ぐんじ・ぺぎお・ゆきお) 早稲田大学基幹理工学部・教授、博士(理学)。理論生命科学。1959年生。主な著書に、『いきものとなまものの哲学』(青土社、2014年)。

●訳者紹介(掲載順)

米田翼(よねだ・つばさ) 大阪大学人間科学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員DC。哲学、生物学の哲学、科学思想史。1988年生。「ベルクソンとヴァイスマンの遺伝論」(『フランス哲学・思想研究』第21号、2016年)。

木山裕登(きやま・やすと) 東京大学、トゥールーズ ジャン・ジョレス大学、博士課程(哲学)。フランス哲学。1987年生。「ベルクソン「意識の諸平面」概念の心理学的背景」(『論集』34、東京大学大学院人文社会系研究科哲学研究室、2014年)。

山根秀介(やまね・しゅうすけ) 舞鶴工業高等専門学校・助教。哲学、宗教哲学、プラグマティズム。1987年生。「ウィリアム・ジェイムズの多元的存在論とベルクソンの持続の存在論」(『宗教哲学研究』、第33号、2016年)。

清塚明朗(きよづか・あきお) 関東学院大学他・非常勤講師、修士(文学)。哲学・倫理学、近現代フランス思想。1983年生。「ベルクソン直観論における明晰性について」(『フランス哲学・思想研究』、2014年)。