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国文学への哲学的アプローチ

●哲学的アプローチが国文学の深層を現在化する

中公新書 『忘れられた哲学者』(2013年6月刊、清水真木著)で再発見された土田杏村。

西田哲学の流れを汲む 「忘れられた哲学者」 が 「国文学の中核的な仕事は哲学的方法を以てなされねばならない」 という立場から、富士谷御杖を一大頂点とする国文学のポテンシャルを哲学的に読み出す。――「御杖に聞くべきは、その根本哲学だ。古典を理解する時のその一般的方法論だ。だから我々はその術語などは言霊であっても何でもよい。突き進めた彼の根本思想を尋ねて見たい。」
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著者 土田杏村
書名 国文学への哲学的アプローチ
体裁・価格 A5判上製 256p 本体価格5400円(税別)
刊行日 2013年12月20日
ISBN 978-4-906917-22-8 C0095

●当社刊 土田杏村の著作 『華厳哲学小論攷』


●著者紹介

土田杏村 (つちだ・きょうそん)

1891年生、1934年歿。哲学者、評論家。新潟県佐渡に誕生。本名茂(つとむ)。土田麦僊の弟。東京高等師範学校博物学部で丘浅次郎から生物学を学ぶ。京都帝大哲学科に進学し西田幾多郎に哲学を学ぶ。大学院在学中に雑誌『文化』を創刊し、社会、教育、文学、芸術など多方面にわたる評論活動を開始。以後定職に就くことなく世を去るまで著作活動を継続。また、自由大学運動や新短歌運動を推進。

書籍として出版した著作は次の通り。1914年『文明思潮と新哲学』、1915年『文壇への公開状』、1916年『生物哲学』、1919年『象徴の哲学』、1920年『霊魂の彼岸』、1921年『マルクス思想と現代文化』『文化主義原論』、1922年『唖の如くに語る』『自由教育論(上巻)哲学的基礎に立てる教育学』『華厳哲学小論攷』、1923年『新社会学』『女性の黎明』『自由教育論(下巻)教育の目的及教育者』『文化哲学入門』、1924年『教育の革命時代』『流言』『恋愛のユウトピア』『島国家としての日本の将来』『創作鑑賞教育論(上巻)』、1925年『社会哲学原論』『創作鑑賞教育論(下巻)芸術美の本質と教育』『恋愛の諸問題』、1926年『日本支那現代思想研究』『文学論』、1927年『Contemporary Thought of Japan and China』『源平盛衰記物語』『国文学の哲学的研究(第一巻)国文学序論』、1928年『現代哲学概論』『社会哲学』『社会哲学原論(新版)』『農村問題の社会学的基礎』『現今教育学の主問題』『国文学の哲学的研究(第二巻)文学の発生』、1929年『ユートピア社会主義』『国文学の哲学的研究(第三巻)上代の歌謡』『恋愛論』『思想問題』『草煙心境』、1930年『生産経済学より信用経済学へ』『文明は何処へ行く』『失業問題と景気恢復』『マルキシズム批判』『八犬伝物語』『人生論』、1931年『宗教論』『現今教育学の主問題(改版)』『道徳改造論』、1932年『(改訂増補)農村問題の社会学的基礎』『短歌論』『現代世相論』『文学理論』『人間論』『日本詩歌の発達』『思想・人物・時代』、1933年『国文学の哲学的研究(第四巻)文学と感情』『思想読本』『結婚論』『宗教再建』『紫野雑記』『明日に呼びかける』、1934年『随想 思慕の春』。



●本書について

本書は土田杏村の論文選集です。底本には15巻構成の全集版(第一書房刊行)を使用しました。本書の各論文は土田杏村の四巻連作『国文学の哲学的研究』(総ページ数約1600、1927〜1933年、第一書房刊行)が収めるもののうち、方法論的な議論を特徴とするものです。

本書では、新漢字・新仮名遣い表記のほか、現今一般的にはあまり漢字表記をしない語を仮名表記に置き換えるなど、表記を現代化しています。



●目 次

国文学の哲学的方法
自動詞他動詞の精神生活的発達
方言と感情 ――方言研究の主観的方法――
御杖の言霊論
文芸創作の弁証論的過程 ――御杖の『真言弁』に対する解釈的試み――
仲基の方法論
言道のリアリズム
上代歌謡研究の根本方法論
精神生活と価値感情