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他者のトポロジー 人文諸学と他者論の現在

●「現代思想」から実践的人間学の一般理論へ

岩野卓司 『裸にすることは可能なのだろうか?』、若森栄樹 『ラカンの「論理的時間」読解』、関修 『性的差異という罠』、石前禎幸 『イギリスのヤヌス』、田島正行 『「自然との和解」という欺瞞』、大西雅一郎 『様々なる改宗あるいは転回、おそらくは深淵の上での』、鈴木哲也 『亡霊論あるいは歴史への参入』、斉藤毅 『石原吉郎の詩における他者のトポロジー』、山田哲平 『トポスなきナショナリズムから他者としての身体へ』
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編者 岩野卓司
書名 他者のトポロジー 人文諸学と他者論の現在
体裁・価格 A5判上製 352p 本体価格6300円(税別)
刊行 2014年12月
ISBN 978-4-906917-35-8 C0010


●目 次

序 岩野卓司

I

裸にすることは可能なのだろうか?――フロイトにおける「裸」、「記憶」、「転移」  岩野卓司
    1 裸の起源
    2 想起可能な記憶と「死」の記憶
    3 転移、逆転移、相互印刷

ラカンの「論理的時間」読解――共同体における間主観的「真理」について  若森栄樹
    1 三人の囚人の寓話
    2 三つの論理的時間
    3 「真理」の概念について
    4 共同体の論理

性的差異という罠(ルアー)――セクシュアリティから見た他者  関 修
    1 ホモセクシュアリティをナルシシズムから説明することの困難性
    2 精神分析の倫理と他者問題
    3 ラカンによる大文字の他者の導入
    4 同じことでもなく、差異でもない、ホモ‐ネス
    5 大文字の他者に性別はない――ラカンによる性別化のグラフの矛盾

II

イギリスのヤヌス  石前禎幸
    1 イギリス法の源泉
    2 正義の女神
    3 イギリスのヤヌス(Jani Anglorum)

「自然との和解」という欺瞞――『アンティゴネー』についてのヘーゲルの解釈をめぐって  田島正行
    1 ラブダコス家の呪い――悲劇『アンティゴネー』の背景
    2 『アンティゴネー』についてのヘーゲルの基本解釈――「均衡のとれた妥当性」としての正義
    3 滅亡の論理――「否定的運動」の動因としての「自己意識」
    4 行為の意味――「自己意識」における「罪の自覚」
    5 現実の承認――「理性の発現」としての「現実」
    6 仮象としての和解――「和解」に潜む「自己欺瞞」
    7 闘争の永続性――「昼の精神」と「夜の精神」との相克

様々なる改宗あるいは転回、おそらくは深淵の上での  大西雅一郎
    1 ヨーロッパにおけるユダヤ人の同化を巡る状況
    2 同化の論理と範例性の論理――内的改宗としてのユダヤ性
    3 ショーレム――同化と改宗を巡って、棄教としての救済、律法主義の脱構築
    4 フランツ・ローゼンツヴァイク――再改宗、「聖なる言語」を巡る思考
    5 カール・シュミットにおける言語と故郷――カトリックとプロテスタント

III

亡霊論あるいは歴史への参入――マイケル・ロングリーの『雪の記念碑』をめぐって  鈴木哲也
    1 『雪の記念碑』の構成とロングリー
    2 記憶の継承
    3 死者の言葉の受容・不可能な呼びかけ
    4 体験の継承
    5 詩的想像力と他者の拡張
    6 想像力の場

石原吉郎の詩における他者のトポロジー  斉藤 毅
    1 詩、他者
    2 石原吉郎における「書物」――詩集《サンチョ・パンサの帰郷》の場合
    3 詩篇『位置』――土の次元、空の次元
    4 シベリア連作
    5 詩篇『やぽんすきい・ぼおぐ』――去勢、他者

トポスなきナショナリズムから他者としての身体へ――貫之論  山田哲平




●著者紹介

岩野 卓司(いわの・たくじ) 1959年生まれ。明治大学教授。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期修了、パリ第4大学大学院哲学研究科博士課程修了。博士(哲学)。専攻、思想史。主著、『ジョルジュ・バタイユ――神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』(2010年、水声社)、『贈与の哲学――ジャン=リュック・マリオンの思想』(2014年、明治大学出版会)。訳書、J.デリダ『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(共訳、2006年、岩波書店)等。

若森 栄樹 (わかもり・よしき) 1946年生まれ。獨協大学教授。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学修士課程修了。専攻、現代フランス文学、思想。主著、『精神分析の空間』(1988年、弘文堂)、『日本の歌――憲法と署名の権力構造』(1995年、河出書房新社)。訳書、J.デリダ著『絵葉書(T)』(共訳、2007年、水声社)、J.デリダ『境域』(2010年、書肆心水)等。

関 修(せき・おさむ) 1961年生まれ。明治大学講師。東洋大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。専攻、現代フランス思想、文化論。主著、『美男論序説』(1996年、夏目書房)、『隣の嵐くん――カリスマなき時代の偶像』(2014年、サイゾー)。訳書、G.オッカンガム『ホモセクシュアルな欲望』(1993年、学陽書房)、J.オクサラ『フーコーをどう読むか』(2011年、新泉社)等。

石前 禎幸(いしまえ・よしゆき) 1955年生まれ。明治大学教授。明治大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。専攻、法哲学、法思想史。主要論文、「ホッブズの反レトリック」(2009年、『法律論叢』81巻)、「ホッブズの反共和主義」(2009年、『法律論叢』82巻)。訳書、N.マコーミック『判決理由の法理論』(共訳、2009年、成文堂)等。

田島正行(たじま・まさゆき) 1949年生まれ。明治大学教授。東京都立大学大学院人文科学研究科独語独文学専攻博士課程単位取得退学。専攻、近代ドイツ文学、思想。主著、『ツァロートの道――ユダヤ歴史・文化研究』(共著、2002年、中央大学出版部)、『語りのポリティクス――言語/越境/同一性をめぐる8つの試論』(共著、2008年、彩流社)。訳書、L.クラーゲス『宇宙生成的エロース』(2000年、うぶすな書院)、L.クラーゲス『心情研究者としてのゲーテ』(2013年、うぶすな書院)等。

大西 雅一郎(おおにし・まさいちろう) 1955年生まれ。成蹊大学教授。東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学修士課程修了。専攻、フランス現代思想。訳書、J.デリダ『友愛のポリティクス』(共訳、2003年、みすず書房)、J.デリダ『絵葉書(T)』(共訳、2007年、水声社)、J‐L.ナンシー『脱閉域――キリスト教の脱構築1』(2009年、現代企画室)、Ph.ラクー=ラバルト『近代人の模倣』(2003年、みすず書房)、N.アブラハム、M.トローク『表皮と核』(共訳、2014年、松籟社)等。

鈴木 哲也(すずき・てつや) 1956年生まれ。明治大学准教授。専攻、アイルランド文学・応用言語学。主著、『ケルト 口承文化の水脈』(共著、2006年、中央大学出版部)、『語りのポリティクス――言語/越境/同一性をめぐる8つの試論』(共著、2008年、彩流社)。

斉藤 毅(さいとう・たけし) 1966年生まれ。大妻女子大学他講師。東京大学大学院人文社会系研究科スラヴ語スラヴ文学専門分野博士課程修了。博士(文学)。専攻、20世紀ロシア文学、文化。訳書、O.マンデリシターム『言葉と文化――ポエジーをめぐって』(1999年、水声社)等。

山田 哲平(やまだ・てっぺい) 1946年生まれ。明治大学教授。東京都立大学大学院人文科学研究科独語独文学修士課程修了。専攻、比較文化史。主著、『語りのポリティクス――言語/越境/同一性をめぐる8つの試論』(共著、2008年、彩流社)。「俊成卿女の和歌1―5」(2006―2013年、『明治大学教養論集』)ほか、日本を含む東洋・西洋の文化史・表現史に関する論文多数。