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大川周明世界宗教思想史論集 


●大川周明畢生の宗教研究、その精髄

人類の宗教性はどこから来たか、そしてどこへ行くべきか。 史上一切の宗教を宗教の一連鎖として考える立場から、世界宗教の総合的進化を考察する。 大川周明の宗教研究の第一著作から遺稿まで。

本書の姉妹版 大川周明道徳哲学講話集 道
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著者 大川周明
書名 大川周明世界宗教思想史論集
体裁・価格 A5判上製 256p 本体価格5400円(税別)
刊行日 2012年11月30日
ISBN 978-4-906917-07-5 C0014


●著者紹介

大川周明 (おおかわ・しゅうめい)

1886年生、1957年歿。東京帝国大学文科大学卒業(宗教学専攻)。インド学を深める過程で当代インドの政治的悲惨を知り、復興アジアの問題に目醒め、また日本史研究を通して日本精神の復興という課題にも目醒めた。インドの亡命志士を保護支援し、『印度に於ける国民的運動の現状及び其の由来』の著作をなす。1918年、満鉄東亜経済調査局入局。のち拓殖大学教授兼任。猶存社、行地社を結成し国家改造運動を展開。『特許植民会社制度の研究』で法学博士の学位取得。1929年、東亜経済調査局理事長。1931年、参謀本部ロシア班長橋本欣五郎らとクーデタ計画(未遂)。神武会を結成し合法的大衆運動を組織。1932年、5.15事件で逮捕。敗戦後、戦争犯罪容疑者として逮捕され極東国際軍事裁判のA級戦犯容疑者として起訴されるが、法廷での発狂行動により入院、不起訴処分となる。最晩年は農村再建を期して行脚を行ない、農法の改善に努める。著作は多数あり、上記以外の主なものに、『復興亜細亜の諸問題』『日本二千六百年史』『近世欧羅巴植民史』『回教概論』『古蘭(翻訳)』『安楽の門』がある。

書肆心水既刊大川周明著作
大川周明著 『敗戦後 大川周明戦後文集』 のページはこちら
大川周明著 『特許植民会社制度研究』 のページはこちら
大川周明著 『大川周明道徳哲学講話集 道』 のページはこちら
大川周明著 『マホメット伝』 のページはこちら
大川周明訳・註釈 『文語訳 古蘭(コーラン)』 のページはこちら



●目 次

I 世界宗教思想史
 序
 宗教の進化
 東西に於ける覚者の出現
 キリスト及びキリスト教
 近代に於けるキリスト教的信仰の変遷
 仏陀及び仏教
 摩訶般若波羅密多心経
 教祖・教法・教団
 ドイツに於ける宗教思潮
 信神の意義

II インド思想概説
 インドの地と人
 インド精神の種々相
 吠陀(ヴェーダ)に現われたるインド精神
 奥義書に現われたる哲学的思索
 奥義書以後の思想信仰
 インド精神の実践的方面
 種姓制度について
 現代インドの精神的復興
 現代インドの政治的思潮
 インド復興の将来




●本書について

本書は大川周明の三つの著作――『宗教原理講話』、「印度思想概説」、遺稿の宗教論――を再編成して一冊にまとめたものである。

第 I 部は、遺稿の宗教論と1921年刊行の『宗教原理講話』(東京刊行社)中の数章で構成し、第 II 部は、1930年刊行の『大思想エンサイクロペヂア第八巻』(春秋社)に収録された「印度思想概説」の全文である。

第 I 部に収めた遺稿は、1962年刊行の全集版で公刊されたもので、その構成は次のとおり。

  第一 人格的生活の原則
  第二 宗教の進化
  第三 東西に於ける覚者の出現
  第四 基督及び基督教
  第五 近代に於ける基督教的信仰の変遷
  第六 回教に於ける神秘主義(本文なし)
  第七 仏陀及び仏教
  第八 摩訶般若波羅蜜多心経(中断)
  第九 教祖・教法・教団
  第十 人生に於ける宗教の意義(本文なし)

全集版の編集委員註によれば、第五の章末までには通しでページ番号が記されていて、第六の章以降は章ごとに独立したページ番号が記されているので、第五の章までは脱稿したものと考えうるとされている。

この遺稿は全く新しく書き起こされたものではなく、『宗教原理講話』の訂正増補版と見るべきものである。『宗教原理講話』の構成は次のとおり。

  第1章 宗教とは何ぞや
  第2章 原始宗教に於ける崇拝の対象
  第3章 初期に於ける宗教の進化
  第4章 部族的宗教より司祭宗教へ
  第5章 普遍宗教の出現
  第6章 預言者の宗教
  第7章 預言者としての老子
  第8章 預言者としての孔子及びソクラテス
  第9章 基督出現以前のイスラエル宗教
  第10章 耶蘇の生涯
  第11章 耶蘇の宗教及び基督教(上)
  第12章 耶蘇の宗教及び基督教(下)
  第13章 仏陀以前の印度宗教
  第14章 仏陀の生涯
  第15章 仏陀の福音及び仏教の発達
  第16章 独逸に於ける宗教思潮
  第17章 近代欧羅巴に於ける宗教思想の変遷
  第18章 教法、教祖、教会
  第19章 信神の意義

遺稿と『宗教原理講話』の記述内容を対照すると、遺稿の各章は『宗教原理講話』の各章をほとんどそのまま使用している場合と、『宗教原理講話』のいくつかの章から部分的に抜き出して合成している場合の違いはあるが、遺稿で新しく計画された「六・八・十」の三つの章(二つは未起稿で一つは中断)と第一の章を除く全てが『宗教原理講話』の内容と重なっている。

遺稿の第一の章「人格的生活の原則」は1926年に刊行された『人格的生活の原則』(東京宝文館)の改訂原稿と見るべきもので、内容は大川周明本人の宗教的道徳思想の精髄を記したものである。単行本版の『人格的生活の原則』は書肆心水既刊(2008年)の『大川周明道徳哲学講話集――道』に収録してあり、遺稿の記述はそれとほとんど同じであるので、本書には掲載しなかった。

以上の事情により、本書の第 I 部には遺稿の第二〜第五、第七〜第九を収め、さらに『宗教原理講話』にはあって遺稿にはない二つの章「第16章 独逸に於ける宗教思潮」「第19章 信神の意義」を補った。この第 I 部を括るタイトル「世界宗教思想史」は、本書刊行所が附したものである。

なお、『宗教原理講話』の「第一章 宗教とは何ぞや」の後半部分の内容は遺稿の幾つかの章に織り込まれているので、前半部分だけを本書の「序」として使用した。