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実定法秩序論

法哲学と実定法学総合の金字塔

法の効力の根拠を探究する、ノモス主権論の濫觴。法と道徳・宗教・政治・経済など社会の諸要素との関係、そしてさまざまな法思想の間の闘争を構造的に描き出し、法が実効性ある法として存在していることの意味を総合的に明らかにする。

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著者 尾高朝雄
書名 実定法秩序論
体裁・価格 A5判上製 432p 定価7920円(本体7200円+税10%)
刊行 2019年4月
ISBN 978-4-906917-90-7 C0032

●尾高朝雄既刊書
天皇制の国民主権とノモス主権論ノモス主権への法哲学自由・相対主義・自然法法と世の事実とのずれ法思想とは何か

目 次

第一章 法の立体構造
 法の垂直断面
 法と強制
 法の水平断面
 法の純粋領域
 法の立体構造と国家

第二章 法の効力
 法とその効力
 法の効力の多義性
 法の実定性

第三章 法の効力の根拠
 法の効力の根拠に関する諸学説
 法段階説
 事実の規範力説
 実力説
 承認説
 輿論説
 団体意志説

第四章 法の目的の対立と調和
 法の効力の根拠としての法の目的
 法の目的の対立
 法と道徳の対立
 法と政治の対立
 法と経済の対立
 法と事実の対立
 法の目的の調和

第五章 国家と実定法
 国家における法目的の実現
 国家の基本構造
 国法秩序の主要概念
 民主主義の原理
 独裁主義の原理
 立憲君主国家の原理

 人名索引

●著者紹介

尾高朝雄(おたか・ともお) 1899年生、1956年歿。法哲学者。朝鮮に生まれ東京に育つ。1923年東京帝大法学部卒業後、京都帝大文学部哲学科で学ぶ。京城帝大教授、東京帝大法学部教授(法理学、のち法哲学講座担任)を歴任。欧米留学時代(1928年から1932年)にはウィーンでケルゼンに、フライブルクでフッサールに師事。1956年5月ペニシリン・ショックのため急逝。代表的著書に『国家構造論』(学位論文、1936年)『実定法秩序論』(1942年)『法の窮極に在るもの』(1947年)『法の究極にあるものについての再論』(1949年)『数の政治と理の政治』(1949年)『自由論』(1952年)『国民主権と天皇制』(増補版1954年)がある。また在欧中にオーストリアで刊行したGrundlegung der Lehre vom sozialen Verband〔社会団体論の基礎〕(1932年)はドイツ、オーストリアで高く評価され現在も刊行中(Springer刊)。