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上世日本の仏教文化と政治――導入・展開・形式化

仏教はどのように日本に根付いたのか、日本の仏教はなぜそのようなありかたをしていたのか

日本の仏教の国家的な性質はなにゆえのものか。出世間的であるべき仏教がなぜ世間的になったのか。――仏教の導入から展開への具体的史実がその問いへの答えを示す。史料の記述が豊富に本文に織り込まれて読みやすく、具体性に富んだ、仏教文化史研究における圧巻の古典的研究書(『日本仏教史』第一巻「上世篇」)の抄録読本版。

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著者 辻善之助
書名 上世日本の仏教文化と政治――導入・展開・形式化
体裁・価格 A5判上製 384p 定価8140円(本体7400円+税10%)
刊行 2018年5月
ISBN 978-4-906917-79-2 C0015

●辻善之助既刊書 日本仏教文化史入門明治仏教史概説

●目 次

第一章 飛鳥時代

仏教渡来の年代
仏教渡来の事情と蘇我物部二氏の争い

第二章 大化改新ならびに律令制定時代

大化改新と仏教
天智天皇・天武天皇時代前後の仏教
寺院僧尼の統制

第三章 奈良時代

僧侶寺院の統制
奈良の六宗
東大寺の造営
国分寺の創設
寺院僧侶の腐敗堕落
光仁天皇の綱紀振粛

第四章 平安時代初期

桓武天皇の教界革新
奈良時代より平安時代初期に至る地方文化の発達と仏教
貞観前後の時代

第五章 平安時代中期

本地垂迹
国民生活と仏教の融合
僧侶の社会事業
浄土教の発達
時代の信仰
信仰の形式化
俗信仰
修 験

第六章 平安時代後期

造寺興盛
僧兵の原由
悪僧神人の活動

●著者紹介

辻善之助(つじ・ぜんのすけ) 1877年生、1955年歿。歴史学者。実証的な日本仏教史を確立。1899年東京帝国大学文科大学国史科卒業、同年同大学院進学。1902年東京帝国大学文科大学史料編纂掛入所(1929年史料編纂所初代所長)。1911年東京帝国大学助教授、1923年教授、1938年停年退官。1932年帝国学士院会員。1952年文化勲章受章。

日本仏教史研究において、政治・社会・文化の総合的観点と堅固な実証主義的方法により、それまでの教団史的水準を克服した画期的業績を遺す。研究の集大成である『日本仏教史』(全10巻)のほか『日本仏教史之研究』(正続)、『日本文化史』(全7巻)等多数の著書がある。