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仏教経典史

経典から見る仏教の思想史

経典は歴史的に位置づけてはじめてその各々の意義がわかる。仏徒でもある近代日本仏教アカデミズムの開拓者が、脱迷信の近代的批判にたえる明晰な叙述と、信仰と学的研究を峻別した立場で、仏教史理解の第一歩である各経典成立の歴史を体系的に描く基本文献。(上段本文11ポイント大活字版)

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著者 宇井伯寿
書名 仏教経典史
体裁・価格 A5判上製 288p 定価6930円(本体6300円+税10%)
刊行日 2014年2月28日
ISBN 978-4-906917-25-9 C0015

●宇井伯寿 既刊書 『仏教哲学の根本問題』 『東洋の論理 空と因明』 『仏教思潮論』 『禅者列伝』 『インド哲学史』

●著者紹介

宇井伯寿 (うい・はくじゅ)

1882-1963。愛知県出身。インド哲学者、仏教学者。曹洞宗の僧。東京帝国大学文科大学卒業後、ドイツ、イギリスに留学。曹洞宗大学(現駒澤大学)、東北帝国大学、東京帝国大学の各教授を歴任。豊富な文献的知識をもとに緻密で周到な文献学的考証を行う学風で知られ、その業績は学界に大きな影響を与えた。

研究範囲はインド六派哲学から中国・日本の仏教までの広きにわたるが、なかでも初期仏教研究、唯識思想研究を中心とした。著作は前期の代表作『印度哲学研究』6巻、後期の代表作『仏教汎論』2巻のほか、『印度哲学史』、『禅宗史研究』、『摂大乗論研究』など多数。多田等観らとの共著で『西蔵大蔵経総目録』6巻(続刊含め全12巻)もある。弟子に中村元ら。



●目 次

序 論

第一章 小乗経典

第一節 経典成立の事情と経過
        第一 経という語の意味
        第二 翻訳の意義
第二節 釈尊の用いた言語
第三節 律の成立
第四節 結 語

第二章 大乗経典

第一節 大乗の発達
第二節 大乗経典の区分
第三節 第一期の経典の大要
        第一 般若系統
        第二 法華系統
        第三 華厳系統
        第四 浄土、密教系統
第四節 第二期の経典の大要
        第一 涅槃系統
        第二 勝鬘系統
        第三 深密系統
第五節 第三期の経典の大要
        第一 楞伽系統
        第二 密教系統
第六節 大乗戒の経典
第七節 結 語
第八節 余 論

第三章 一 切 経

第一節 シナヘの伝訳
第二節 一切経、大蔵経
第三節 大蔵経の刊行
第四節 我が国に於ける一切経
第五節 結 語