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ノモス主権への法哲学――法の窮極に在るもの/法の窮極にあるものについての再論/数の政治と理の政治

民主主義はなぜ選挙が終点であってはならないのか?――ポピュリズム時代の法哲学の核心、ノモス主権論

ポピュリズムが広まり、行政国家化が深まり、象徴天皇制が再定義されつつある今、ノモス主権論があるべき道を指し示す。ノモス主権論へと至る尾高法哲学理解のための主著三冊を合冊集成。現代日本政治におけるノモス主権論のアクチュアリティを示し、ハンス・ケルゼン、カール・シュミットとノモス主権論の関係を論じる寄稿論文「ノモスとアジール」(藤崎剛人著)を附録。

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著者 尾高朝雄
書名 ノモス主権への法哲学――法の窮極に在るもの/法の窮極にあるものについての再論/数の政治と理の政治
体裁・価格 A5判上製 432p 定価7920円(本体7200円+税10%)
刊行 2017年5月
ISBN 978-4-906917-67-9 C0032

●尾高朝雄既刊書 天皇制の国民主権とノモス主権論自由・相対主義・自然法実定法秩序論法と世の事実とのずれ法思想とは何か

●目 次

法の窮極に在るもの

法の窮極に在るものは何か/自然法の性格/憲法制定権力/革命権と国家緊急権/法の原動者としての政治/法の下部構造としての経済/国内法の窮極に在るもの/国際法の窮極に在るもの

法の窮極にあるものについての再論

法の窮極にあるものについての再論/ノモスの主権について/法の窮極にあるものについての第三論/法哲学における形而上学と経験主義/平和の哲学

数の政治と理の政治

法と国民の総意/自然法と民主主義/多数決の論理/人間平等の正義/国際民主主義と国際連合

附録論文 ノモスとアジール――尾高朝雄の法哲学についての試論 藤崎剛人

安保関連法案と「違法の後法」/法の窮極にあるもの/法も国家も実在する/法をつくるのは理念である/「ノモス主権論」の素性/「統合」と「国体」/アジールとしてのノモス/おわりに

索 引

●著者紹介

尾高朝雄(おたか・ともお) 1899年生、1956年歿。法哲学者。朝鮮に生まれ東京に育つ。1923年東京帝大法学部卒業後、京都帝大文学部哲学科で学ぶ。京城帝大教授、東京帝大法学部教授(法理学、のち法哲学講座担任)を歴任。欧米留学時代(1928年から1932年)にはウィーンでケルゼンに、フライブルクでフッサールに師事。1956年5月ペニシリン・ショックのため急逝。代表的著書に『国家構造論』(学位論文、1936年)『実定法秩序論』(1942年)『法の窮極に在るもの』(1947年)『法の究極にあるものについての再論』(1949年)『数の政治と理の政治』(1949年)『自由論』(1952年)『国民主権と天皇制』(増補版1954年)がある。また在欧中にオーストリアで刊行したGrundlegung der Lehre vom sozialen Verband〔社会団体理論の基礎〕(1932年)はドイツ、オーストリアで高く評価され現在も刊行中(Springer刊)。

藤崎剛人(ふじさき・まさと) 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程。専門は思想史。特にカール・シュミットの公法思想を研究中。